2015年4月2日木曜日

街頭インタビューを受ける : インドのスシ

ある日お友達と南ムンバイの有名なCD/DVD屋さんRythm Houseから出てきたらいきなり街頭インタビューを受けました。

Sushi&More(テイクアウト寿司大手。あんまり日本人には合わない)のかっぱ巻もどきを差し出され、一つ食べて感想を言ってくれ、とのこと。

そもそもSushi&Moreのお寿司があまり得意では無い上に誰かが既に使って持ち手までべったりとお醤油のついた割り箸ごと差し出され、さすがに食べられませんでした。

食べなくても良いからインドの寿司文化についてなにかコメントが欲しいとのこと。嫌な素振りを見せたってもちろんお構い無しのインド人インタビュアーたち、グイグイ迫ってこられてお迎えが来るまで捕まってしまいました。

世界の食のトレンドに漏れずインド富裕層の間でも一応お寿司は流行っています。インド人のホームパーティーに行くと前菜として巻き寿司が出てきたりすることもあるくらい。和食大好き、外食のオプションとして日本食は有力とおっしゃるインド人はもっと多い。富裕層に限っていうとほとんどの人が私が日本人だと知ると「私スシ大好き」と言ってくれるのです。

ただやはりここはインド。材料の入手がまず大変な困難を伴う上に、個人の食の制限も色々で、なかなか日本と全く同じようにはいきません。まずお米が違う、お酢が違う、水が違う、インドで売っている海苔は輸入もののため異常に高価(輸入品は関税のためかぎょっとするほど高いのです。米酢が約5000円で売られているのを見たこともあります…)で粗悪なものばかり、そもそもインド人(に限らず海藻を常食しない人種はそうかもしれませんが)はあまり黒い海苔が好きでは無く裏巻きが主流。

もちろん生で食べられるお魚の入手は非常に困難です。ほぼ不可能。輸入の刺身類がわずかにありますが異常なまでに高価でサラリーマンには手が届きません。さらに管理する側の意識の低さから解凍と再冷凍を繰り返されている可能性が高い。もっと言うとスシシェフのなかには日本流の「寿司」を食べたことのない人も数多くいます。

「和食を出す」というレストランは極めてわずかな例外を除いて大概高級アジアンフュージョンレストランなのですが、そういうところに行くと、巻き寿司が大抵主流です。しかもメニューは聞いただけでは内容の想像できない「スパイシードラゴンロール」的なものが並んでいるのです。

「材料の入手が困難な中で大変努力されていると思います、味覚の好みも違います、日本では寿司職人が一人前になるのに10年かかります、インドのスシの今後に期待します」などと辛口コメントを残し、食い下がるインタビュアーにさようならをしてきたわけですが、考えてみれば貴重な機会でありました。

どこで放送されるのかは知りませんが、日本人としてインド人がインド流にスシを解釈して受け入れてくれることに感謝します、くらい言っておけば良かったな…。すこし後悔の残る突撃インタビュー体験でした。


今日はマハーヴィール ジャヤンティで祝日ですね。ジャイナ教の聖人のお誕生日という祝日だそうです。明日の聖金曜日と合わせて4連休という方も多いことでしょう。どうぞ良い連休をお過ごしください。


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スパイシー=唐辛子(+マヨ)
ドラゴン=海老フライ
がムンバイ近辺?のスシ用語のようです。

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