2015年1月8日木曜日

パールシー

クルフィーとジャレビー。ジャレビーは出来たてならイケるかも。
インドの中でムンバイに最も集中していると言われる民族にパールシーがいます。パールシー=ペルシャ。かつてイスラム教徒からの宗教弾圧によってペルシャ、今のイランから逃れてきたゾロアスター教徒たちです。

多いとはいえムンバイでもマイノリティですが、社会的な地位の高い人材や裕福な家系も多く排出しており、社会の中で一定の発言力を有しています。

例えば去年日経新聞の私の履歴書を執筆したラタン・タタ。彼はパールシーで、インド有数の財閥タタグループのオーナー一族です。製造業、金融業、通信業、小売業など多岐にわたる事業を展開しており、インド系の有名なホテルチェーンのタージグループや、スターバックスもインドではタタ財閥の傘下にあります。

英国統治時代、人数の多いヒンドゥ教徒とイスラム教徒の対立を煽って統治をしやすくするために戦略的にパールシーを統治政府が重用したとか。英国政治、腹黒い…。当時の影響から未だにヒンドゥとムスリムは対立していて、罪深い政策をとったことだと思います。ただ、その立場を上手に利用して主要産業に食い込み、現在でも多くの利権を抱え込んでいるパールシーもなかなか政治上手です。

パールシーの文化で有名なのは鳥葬でしょうか。火を神聖と崇めるため火葬をしないで遺体を葬るための沈黙の塔という施設があります。広い敷地の中にあって非パールシーは立ちいることができないので実際に見るチャンスはありませんが、Dr. Bhau Daj Lad Mumbai city museum、旧称Victoria and Albert Museumという美しい博物館で模型を見ることができます。

ビジネスのみならず医者や教授などの社会的な地位の高い職業でも多く活躍しているパールシーの人々。私も何人か、大変お世話になっているパールシーの方がいます。私が個人的に知っている人たちは総じて真面目。独特の正義があることもたまに感じます。

手軽に触れられるパールシーの文化としてレストランを何軒かご紹介します。
一軒はBritannia & Company。Fort地区にある昔ながらのレストランで、ドライフルーツを使ったプラウという炊き込みご飯や豆と鳥や羊の煮込みなどの伝統的パールシー料理が食べられます。「サリSari」というカラムーチョサイズの極小ポテトチップスがふりかけてあって食感が楽しい。辛く無いのでインドカレーが苦手な方でも楽しめると思います。こちらが日本人とわかると、昔日本の雑誌に載った記事を見せてくれるのですが、その思い切りの良い値上げっぷりにも是非注目していただきたいです。

もう一軒はYazdani Bakery。こちらもFort地区の迷路のような場所にあります。以前ムンバイ史跡探訪の記事でもご紹介した昔ながらの薪オーブンのパン屋さんです。

どちらもご高齢のオーナーが国外からのお客さんとの会話を楽しみに頑張っておられますので、興味があれば会話してみてもいいかも。平均寿命の短いインドでオーナーさんたちの年齢を伺うとちょっとびっくりします。

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿