2015年1月17日土曜日

読書会

The Commoner

ある程度教育を受けたインド人女性の間ではbook clubというアクティビティが一般的なようです。ソーシャル活動の一環の模様。

読書はとても好きなのですが英語で読むのは時間がかかるので、いつも課題図書を終えることができず、なんとなく参加しないでここまで来ました。先日、日本を題材にした本を読むから参加しない?とお誘いを受けたので期日ギリギリまでかかって何とか本を読み終え、初めてのbook discussionに参加してきました。

課題図書はThe Commoner。アメリカ人作家John Burnham Schwarzが日本の皇室、とくに民間から皇室入りした美智子様、雅子様をモデルに書いたフィクションです。日本語訳が出ていないか探したのですが無かったので残念ながらカンニングは出来ませんでした…。

参加者が完全に女性の会だったので、インド人女性の結婚観、後継ぎプレッシャー、そして現代インドならではのお見合い結婚か恋愛結婚か、というテーマが盛り上がりました。
伝統的インドの結婚観はかなり伝統的日本の結婚観に近く、女性は結婚したら家と夫を支える、義両親からの男児プレッシャーなど、それぞれ結婚、出産、育児を経てきたインド人女性たちが深く共感している様子でした。

面白かったのが、参加者のインド人女性たちが現代インドにもRoyal Familyがいるにもかかわらず、英王室と日本の皇室を比較していたところです。本のなかで皇室にお嫁入したHarukoやKeikoの感じた苦しみを、ダイアナ妃の苦しみと比較したのです。旧宗主国であるイギリスに現在でも近しい思いを抱いていることを感じました。

現代インドの抱えるレイプ問題にも話題が及び、女性教育の重要性についても強く主張されていました。差別、女性軽視の連鎖を断ち切るためには女性を教育し、家庭内における女性の地位向上を図るべきというのがインド知識層の共通見解のようです。しかしながら15歳の女の子が教育を受け続けたいけれども学校に通うには片道2時間かかり、その2時間の間に暴力の被害者になるかもしれない、それであれば結婚させて男性の庇護下に置こうというとある家庭の選択も紹介され、簡単に女性教育という対策を講じることの出来ない現状も紹介されました。

これまでなんとなく避けていたbook discussionでしたが、司会者の力量もあって本を読み終わったあとの感想を共有するだけでなく、そこから議論を始めて様々な論点を共有することができて、とても有意義な会でした。
英語での読書、がんばるぞー!

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しかしこの本の表紙の絵、皇室がテーマとは思えない。日本人である私には違和感があります。私だけ…?

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