2015年1月12日月曜日

おすすめムンバイ本

と言ってもガイドブックではありませんが…。

※今回ムンバイを旧称のボンベイと書くのはご紹介する小説がムンバイと名前を変える前のこの街が舞台だからです。

1. シャンタラム
    グレゴリー・デイビッド・ロバーツ著

オーストラリア人脱獄犯のリン・シャンタラムがボンベイに逃れてきて、当地マフィアの仲間になって活躍する話。著者の自伝的小説だとのことで、実際の地名やレストラン名がたくさん出てきます。普通なら知りえないボンベイマフィアの世界、スラムの生活と経済、ディープなボンベイの見どころもたくさん。個人的に気になっているのはスタンディングババのアーシュラム。座らないことを自らに課し、眠るときも起きているときもとにかく立って祈り続ける修行者のいる場所だそうです。今でもあるのかな。文庫にすると上中下巻の長大な小説ですが、お友達に借りて2日ほどで一気読みしました。止まらない!

ジョニーデップ主演で映画化されるとかされないとか。アフガニスタン戦争に遠征にまで行く長大な物語をどう2時間にまとめるのか。楽しみです。




2. サーカスの息子
     ジョン・アーヴィング著

日本語訳は現在絶版のようですね。残念。図書館や古書店でお探しください。英語版は書店で手に入ります。
カナダ籍のボンベイ人、ダルワラ医師。定期的にボンベイに戻ってきては自身の研究と診察を行っています。実は人気映画シリーズの脚本家という裏の顔を持っています。主演俳優は息子のように思っているジョン・D。映画を模倣した娼婦の連続殺人が起こって…。現代文学の奇才アーヴィング×混沌の国インドはすごい化学反応。小人の研究の過程で近しくなったヴィノドの巻き起こすどたばたもインド的で楽しい。

前半は読むのが大変だったけれど、後半になるにつれて一気呵成にまとめに入ってとっても楽しい読後感でした。たまにゴルフや食事やお茶をさせてもらうWillingdon Clubというスポーツクラブを中心に物語が展開していくので私としてはとっても身近に感じます。



あとはタブッキの「インド夜想曲」にもボンベイが登場します。こちらも夢に招かれたような気分になれる素敵な本。
ムンバイは関係無いけれど、主にベンガル系NRI(Non Resident Indian インドに住んでいないインド人)が主人公の美しい小説を書くジュンパ・ラヒリも好きなインド系作家です。

その街が舞台の本をその街で読むのは格別です。さらに日本語で読めたら至福のとき!




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