古典舞踊と一口に言っても、バラタナティヤム、オディッシー、カタカリ、カタックなど、起源もリズムもステップも異なる踊りが10以上もあるそうです。
幸運にもこれまで何種類か見させていただきましたが、ステップもリズムも衣装も目新しいものばかり。
また、ダンスの道の完成度も非常に高く、その道を極めた方の公演は大変に見応えがあります。
古典ダンスにも日本舞踊でいうところの名取制度のようなものがあるそうで、名取になったお嬢さんのお披露目公演では、たった1人の10代の女の子が4時間以上踊り続ける凄みのあるものでした。
神話を基にして一つ一つのフリの型が決まっているそうで、その型を全て覚えて物語を語るように全てが踊れることが名取、というか、一人前の証なんだとか。
10年以上練習を続け、師匠から許可をもらい、1人で全ての踊りを踊りきることで人に教えられるようになるということです。
古典ダンス道、かなり厳しいです。
古典ダンスには生演奏の古典楽器がつきもの。
シタール(日本の琵琶のような楽器)、タブラ(二連ドラム)、ハルモニウム(床置きアコーディオン)、独特の奏法のバイオリンなど、見たこともないような楽器たち。
古典舞踊の先生に伺ったところ、事前にダンサーと打ち合わせはするものの、その場の空気感で演奏が変わるという、踊り手、演奏者の呼吸がどうなっているのかとても不思議な、でも西洋音楽にないリズムと音階に引き込まれる素晴らしいパフォーマンスに見るたびに魅了されます。
そんなインド古典舞踊、カタックダンサーとしてアメリカで活躍する日本人と中国人のハーフの方(なんてグローバル!)の来ムンバイ公演が、近々NCPAで開催されるようです。
本業はカタックダンスの教師である私のピラティスの先生から、日本人のハーフだからぜひ日本人コミュニティでサポートしてほしいとお話がありました。
なんの力も持たない私ですがささやかながら支援できたら、と思いこちらで告知させていただきます。(もちろん私には1ルピーも入りません。)
詳細はフライヤー画像をご覧ください。
ダンスのお好きな方、インドの文化にご興味のある方、特にそれらには興味はないけれどなんとなくお時間のある方、騙されたと思ってご覧になられてはいかがでしょうか。
ヨギとまりぼん夫妻はNCPA行きが大好きで、一時期は週2回以上通っていました。
先進国と公演のクオリティを比べてはいけません。
娯楽の少ないムンバイでの数少ない楽しい時間の過ごし方です。
(会場となる南ムンバイ、ナリマンポイントのNCPAでは常にムンバイで得られる最上質の公演が開催されているので、パフォーミングアーツにご興味のある方は一度いらっしゃると良いと思います。
蛇足ですがムンバイアッパー層はこの劇場通いが大好き。
劇場で知り合いを見つけては挨拶したり、紹介しあったりといった光景が見られます。
古き良き社交の場。良い意味で日本とはまた違った感じ。)
そしてここはインド。非常にお手頃な値段です。面白くなかったな、騙されたなーと思っても、ひとつの経験代として笑えるくらいのもの。
とは言いつつも、古典舞踊、カタック、面白いと思います。どうぞ一度経験して見てください!