2014年12月17日水曜日

移動手段の話 鉄道編

開いたドアから身を乗り出す人が見えます。

大都市ムンバイ、交通手段が各種あります。

まずは電車。南北に2線メインの電車が走っています。駅の感覚は関東でいうと小田急線くらい。頑張らなくても歩ける距離感で駅が点在している感じです。日本でいうと明治維新の頃、当事統治していたイギリスが植民地管理のために敷設したレールと駅舎を現役で活用しているという驚くべき物持ちの良さ。

有名な話ですが窓ガラスはもちろん、ドアだって走行中も全開で、日本では確実に体感することのできない解放感を味わえます。各駅停車と急行があります。駅舎の入り口とホームとの高低差はビルでいうと3階分くらい。乗り換えを何回かすると結構な運動になります。

近距離だと片道10ルピー弱。切符売り場(もちろん人が対応。我が家の最寄り駅の券売機と思われるものは常に故障しています。のんびりインド時間で切符が売られるので常に行列)で発券してくれるレシートのような切符にはHappy Journy!と書いてくれていて、ささやかな幸福感が味わえます。改札は無いのですが、抜き打ちで行われている無賃乗車検査で見つかると罰金が課されます。

女性専用車両があります。ありますが、ひと気のない時間帯に外国人を含めた女性が一等車や女性専用車両で暴行を受けるという犯罪が走行中の列車内で複数件発生していることを知った上で利用した方が良いと思います。


走行中でもドア前開。風が気持ちいいので車内が空いていてもドアから身を乗り出す人が必ずいます。落ちないでね…


電車に類するものとして昨年から今年にかけて「メトロ」が2線開通しました。地下鉄ではなくいわゆるモノレールです。バンコクのBTSに雰囲気は似ているかも。こちらも距離に応じて10ルピーくらいまでで移動できます。

残念ながら(?)こちらは窓もドアも走行中は閉鎖されていて、エアコンまでついています。前述の鉄道と比較すると劇的に近代的かつ清潔です。自動改札方式なのですが自動改札を通った先にセキュリティゲートがあります。電車を降りる場合も同じ場所、つまり自動改札のすぐ手前にセキュリティゲートがあります。その存在意義や、セキュリティチェックのレーンが男女一つずつしか無いために無用に発生する行列について、鉄道には無くてメトロにだけなぜあるのか、等の意義深い問いについては深く考えない方が楽に生きられるのだと思います。二子玉の駅にダッシュで駆け込みパスモで自動改札をこじ開けて通勤電車に駆け込み滑り込みセーフ、という世界は遠い世界の出来事です。

現在ムンバイメトロは鋭意延長工事中です。当初の計画では2014年までに完成しているはずだったという話も聞きましたが、まだ橋脚部分を一生懸命作っています。完成したら我が家の周辺は大変便利になるはずです。仮にその時までムンバイに住んでいたとしても、同じマンションに居られる可能性は大変低い(家賃が日々上昇しているので定期賃貸借契約終了後は家賃を上げたい大家サイドからの要求で賃貸契約を終了させられる)ですが、こちらもインド時間でのんびり完成を待ちたいと思います。

特に女性にとっては必ずしも安全とは言えない環境なので十分な注意を払った上での乗車をお勧めします。また、ピークタイムの満員電車では、例の開いたドアから人が落ちる事故が多発していますので、そちらの方にも細心の注意が必要です。


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2014年12月16日火曜日

サリーを買いに

風車売り。後ろには綿あめ売り商人も見えます。

ムンバイ日本人会が新年会を企画してくださるのですが、日本人ばかりの集まりなのになぜかインド衣装を着用する方が男女ともに多く、この時期になると女性たちの間ではサリーを買う話題はホットなトピック。

私も何着も持っているわけではないので知った風なことを言える立場ではないのですが、サリーとは5-6メートルからなる一枚布を美しいドレープを作りながら体に巻き付けるインド女性の国民的衣装です。西洋史(もしくは塩野七生)で学んだ古代ローマの衣装と同じように、ドレープの数やその美しさを競い合って着るものだそうです。

サリーを着るに当たっては3つのパーツを用意する必要があります。つまり5-6メートルからなるサリー本体、主にその共布から作られるブラウス、サリーと同系色のペチコート(アンダースカート)の3つです。

サリーを買う有名スポットはいくつかあるのですが、北ムンバイだとSantacruz駅周辺、南ムンバイだとDadarやKemps Cornerあたりに店が集中しています。どれも同じように見えてまったく違うサリーの世界、色、生地の素材、ビーズに刺繍にボーダー(と彼らの呼ぶ、布の端の極太模様部分)、そして値段も100ルピー~10万ルピー以上までとピンキリです。

まずは本体部分の長〜い布を買って、共布がついている場合はその生地を使って仕立屋さんにブラウスをオーダー、同時にマッチングセンターと呼ばれる布屋さんに行ってサリー本体の色に合うペチコートを購入する、というのが大まかな流れです。お店によってはワンストップで済むところ、分業が徹底しているところなどまちまちなので購入前に仕立屋さんの確認などを済ませておくことがスムーズな仕上がりにつながるかと思います。

私が去年教わったサリーの買い方は、「パーティで着るだけなら必ずしも絹である必要はなく、それよりもハデハデでキラキラを重視しながら3000ルピー以上のものを買えば見栄えのするものが得られるであろう」というものでした。着物の感覚で、ちゃんとした場で着るには絹でなきゃいけないんだろうなーと思っていたのですが、確かに湿気の多いこの国できちんとした状態を保つには絹にこだわる必要はないのかもしれない、と思った覚えがあります。

思い切って全身真っ赤、とか、真ピンク、はたまたデザイナーズサリーになるとヒョウ柄なんかを織り込んできているものもあったりして、どちらかというと着物の感覚で鮮やかな色柄を着たほうがパーティ会場では映える気がします。伝統的なサリーとの対照としてデザイナーズの言葉が使われるのですが、最近のトレンドはブラウスをわざとサリーの共布でない素材で作ることや、スカートと肩にかける布の色を変えることだそうで、そういったサリーのことをデザイナーズサリーと呼びます。

結婚式やお呼ばれなど一着あると何かと使えるサリー。キラキラのピカピカで見に行くだけでも女子力が高まりそう。ボリウッドスターのパーティスナップで最新のトレンドをチェックした上で一度お店に行ってみてはいかがでしょうか。

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2014年12月15日月曜日

生フルーツジュース天国



マンゴーときゅうりの屋台。

カットフルーツ屋台。どの果物も極薄。


しばらくぶりにムンバイに戻ってきた翌日、暑さとのどの渇きに駆け込んだお店で頼んだのはモサンビジュースでした。

Mosambi=インドやイランなどで盛んに栽培されるスイートライム、をぎゅーっと絞って飲む生ジュースです。レモンやライムより酸味が優しく、みかんジュースのようなビタミンCたっぷりの味でなかなか気に入っています。ムンバイ在住日本人の定番ソフトドリンクはフレッシュライムソーダの模様ですが、このモサンビジュースも日本人は好きな味なのではないかなーと思います。冷やしたモサンビを使って作るとより美味しいですよ!

インドならではのフルーツ、モサンビのみならず、スイカやパイナップルやりんご、シーズンになるとぶどうやマンゴーなど、生フルーツジュースが手軽に飲めるインド。たまにフレッシュオレンジジュースが輸入オレンジを使っていて驚くほど高価だったりする落とし穴はあるものの、基本的には果物類は日本と比べてとても安いので、レストランでも1杯100ルピー前後で飲めるでしょう。

路上で目に付くさとうきびジュースは一杯5〜10ルピーで買えるそうですが私はまだ試したことがありません。移住当時の勢いがない今となってはチャンスがいつまでも到来しないかも…さとうきびを買ってきて自宅で絞ろうかな。

他によく売られている飲み物といえばココナッツウォーターがあります。歩道の端や街路樹の根元にココナツが山のように積み上げられているのですぐにそれとわかります。つるんとした緑の大きめのココナッツのてっぺんをナタで割ってもらい、ストローを刺して内部の液体を飲むのですが、薄めのポカリスエットのような味で、乾いた身体に体によく染み込む気がします。アーユルヴェーダでは盛んに推奨されている飲み物ですし、ハリウッド発で日本でも美容効果がオイルと共に注目されているとか。インドでは10〜30ルピーで飲めるので、今のうちにたくさん飲んでその美容効果を(可能ならば)体感しておきたいものです。


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2014年12月13日土曜日

インドからのお土産



先日母親から「かかとクリームいいね!」というLINEが何の脈絡もなく来ました。おそらくお土産で持ち帰ったヒマラヤのフットクリームが冬場のガサガサかかとに効いたんだと思います。

インドから日本に行くにあたって、お土産選びはいつも悩ましいテーマです。
街を見回してみると、味のあるものはたくさんあるけれど、日本のように面白いアイディアや綺麗なパッケージのものはあまり多くない。自分がもらって嬉しいものをあげるのも一案だけれども、私が今インドもので一番欲しいのは踊るシヴァ神の置物で、インドを知らない家族や友人への贈り物は「いやげ物」(いやなお土産物)扱いされてしまう可能性が高いでしょう。

ということで無難なお土産の代表は紅茶。なぜかインドの紅茶は茶葉を布袋にいれて販売してくるので、出来るだけ缶入りのものを探してみたり。ムンバイ発の紅茶ブランドTea Trunkは缶が可愛くてなかなかおすすめです。500〜1000ルピー。

ムンバイを代表する紙製品店Chimanlalsはチープで可愛くて女子必見のお店なのですが、私がこれまであげてきた日本の友人たちからの反応はイマイチ…唯一、このお店のカレンダーは男女共に好評なので、年末年始に帰国される方にはかなり良いと思います。例年10月末か11月頃には発売されています。今年のテーマはインドのハンディクラフト。300ルピーくらい。

コスメ系ではKAMAのローズウォーターが品質が安定していてとても良いんだけれども最近ムンバイでは売っているところをあまり見かけません。たまにグッドアースでフェイスウォッシュとセットの綺麗なパッケージが500ルピーで売っているので見かけたら買っておくようにしています。(見かけたら買っておくなんて日本にいたら絶対しなかった行動。モノが増えてしまって困るのですが…)

食品では、レトルトのインドカレーを買っていかれる方もいるようです。我が家でも何個か買って見たのですが、日本の地元スーパーでMTRブランド(インドの大手レトルトカレーブランド)のバターチキンカレーとほうれん草カレーを見かけてしまったのでブームが下火に。
先日インドを展示会で訪問した日本人がパパルという豆から出来たパリパリのおせんべいを大量に買って帰ったと聞いたので、次回私もお土産として試してみようと思います。それと、各種カレー用ミックススパイスのリクエストをもらったのでそちらもお土産にします。

あげる相手の方のインド好きレベルに応じてインスタントのマサラチャイやビンディというおでこにつけるシールをあげたりもしました。(ビンディはネイルシールとして活用されたそうです。なるほど!)
ブロックプリントのアノーキの布製品やポーチは意外と日本の家にも合うそうです。
ボリウッド映画のDVDを持ち帰ったこともありました。アーミール・カーンも来日を果たしたし、今割とホットなお土産かも。ちなみに日本ではDhoom 3が近日公開予定だそうです。DVD方式はPCで再生すれば大丈夫です。
お子様向けにオーガニックコットンのパジャマをあげたら夏の間とても気に入ってそればかり着てくれたという嬉しい話も聞きました。

こうしてみてみると、ないないと思っていたお土産も意外とバラエティに富んでいるみたいです。お土産アイディア、いつも募集中なので、おすすめがありましたらぜひ教えて下さい!

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2014年12月12日金曜日

ムンバイ在住邦人の地理的隔絶

 

 
半島のように南北に細長いムンバイ市。
商業港としてイギリス人に開発された街の多くがそうであるように、ここムンバイも港のある半島の先端、南側が旧市街です。観光される場合は南に見所が集まっているので南の滞在が便利だと思います。人口爆発、地価急上昇中のムンバイで住居を探すとなると話は全く異なります。

まずオフィスの場所が旧市街にあるとは限りません。十分な広さと充実した設備を求め、多くの企業がBKCという南のオフィス街であるナリマンポイントから車で1時間ほどの新しく開発されたビジネスエリアにオフィスを移転しています。距離にするとほんの20キロなのですが、悪名高いムンバイの渋滞のために1時間ではたどり着けないこともままあります。数年前に米国領事館が移転し、日系を含めたくさんの外資系企業がBKCに入居しているそうです。日本の深夜放送されていた通販番組で、タレントのアンミカさんがムンバイにダイヤモンドを買い付けに来る場面の映像はBKCでした。近代的なオフィス街です。
そしてBKCよりもう少し北のムンバイ空港周辺や、半島から大陸側に渡ったナビムンバイに事務所を構える会社もあります。

さらに複数のインターナショナルスクールも、それまであった南のキャンパスから北に移動しました。

前述した快適とは言えない交通事情もあり、オフィスや学校の近くに住む方が何かと都合もいいので空港近くの外国人も多く住むバンドラというエリアやその更に北の綺麗な住宅地であるポワイに多くの日本人は分散しています。かつては市南部のある丘に多くの日本人駐在員が集中して住んでいたそうですが、現在ではその数も少なくなりました。

我が家はその中では比較的南に住んでいる方なので、お友達と会う時などは移動手段の確保などなかなか頭を使います。ポワイまで我が家からたったの17キロ。この移動に大体1時間、悪いと2時間以上(私は最長3時間を経験したことがあります…)かかるムンバイの道路環境が恨めしい…!



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2014年12月11日木曜日

ムンバイでの師走感



インドで2回目の12月を過ごしています。昨年もそうだったのですが、今年は更に忙しい!

まず、あちこちでクリスマス関連のイベントが開催されます。クリスマスマーケット、ショッピングフェア、コンサートにお芝居にクリスマスパーティにクリスマスお茶会。
日本人としては忘年会もやらずには終われません。
さらに過ごしやすい今の時期はインド人にとっての結婚式シーズン。一日では終わらないので関連行事がいくつもあります。

去年は12月頭からのこのイベント目白押しを知らなかったのでいつ終わることやらと思っていましたが、二回目ともなると、あ、これもあと一週間くらいかなー、それが終わったらお正月の支度を始めようかなー、なんて思う余裕が出てきます。

ムンバイでのお買い物の醍醐味は、通常店舗を構えていないお店がエキシビションだったら商品を公開してくれることでもあるので、この時期ならではのお買い物も楽しみたいと思います。

明日から14日まではHappy Home and school for the blindでもエキシビションが始まります。味わい深い手作りの陶器やモザイクが手頃な値段で買えるのでお勧め。早めに行かないと目ぼしいものはすぐに売り切れてしまうそうです。
14日は桜会でも支援しているディルクッシュスクールの販売会だそうで、こういったところでお買い物することも社会貢献活動の一助になることかと思います。



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2014年12月10日水曜日

時間の感覚

本当に幸せなことですが、国籍や人種に関わらず感覚の合う人っているんだなぁと思ったことが一日の中で二度もありました。
両方とも簡単にいえば約束の時間が変更、という連絡だったのですが、私が電話を取るまで何度も何度も何度も電話やSMSをくれて、一方はお仕事相手のインド人だったのです。

インドにいると、のんびりしたインド時間で過ごしている現地の人々と歩調を合わせなければいけないことがストレスになったりします。私の接する範囲では家の修理や配達に来る人たちはかなりの確率で。
時間に遅れるのは当たり前だし来るといって来ないこともあれば、逆に来ないといって来ることだってあります。仕事の相手は選べないので現地企業で働いていらっしゃる方のご苦労は想像できないレベルだと思います。そう言った場合の対処の仕方を皆さんそれぞれ持っていらっしゃるのでいつもお話を伺ってはなるほどーと思うばかり。

幸か不幸か私が個人的に親しくさせていただいているのは、約束を守る、時間を守る感覚が合う人たちばかりで、インド人とはいえ色々な時間感覚を持っていると感じます。それぞれの家庭環境、宗教、受けた教育、インド国外に出た経験の有無がそれぞれ全く違うので、標準的インド人像を描くのは本当に難しい。「私、インド人とは感覚が合わないから」と豪語するインド国籍のお友達もいるのです(笑)。とはいえ私自身が日本標準比でルーズなのでインドペースに適合しているのかもしれませんが…

一般的に「インド人はこう!」と決めつけるのではなく、目の前のその人にきちんと向き合ってコミュニケーションをとって行きたいな、と思った一日でした。




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